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好き心少なからず

第2章 大丈夫?~姉ヶ崎×田口~

「本当に心配なら、もっと具体的に聞かなきゃダメなんだよ。気分悪くない?とか、どこが痛い?とか」

だから…か。

本当に私の事心配してくれたから。

「…ありがとう」

言ってから照れくさくてうつ向いてしまうと

「どういたしまして」

和らぐような優しい声が聞こえた。

声だけじゃない。

本当に優しい、いい人だ。

「あの…名前、聞いてもいいですか?」

勇気を出して、顔を上げて聞くと

「田口恭博(たぐち やすひろ)。…君は?」

「姉ヶ崎千鶴…です」

ほんのりと、胸が温かくなった。


【おしまい】

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