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好き心少なからず

第14章 失敗作?~栗原×速水~

むせそうになって、慌てて飲み込んだ。

喉の奥に引っ掛かってるみたいに違和感がする。

やっぱり先輩も、失敗だって思ってるんだ。

「はぁ…」

意気消沈して黙り込むと

「次は完成品が食べたいな」

え!?

先輩の明るい声に、聞き間違えたんじゃないかと急いで顔を上げると

「作ってくれる?」

先輩は優しく微笑んでいて…

「はい!!」

勢い込んで返事をして、両手を握りしめた。

よし!!今度こそ美味しいケーキを作るぞ!!

…あれ?

何か忘れてるような…気のせいか!?

首をひねる俺の横で、先輩がクスッと笑った。


【おしまい】

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