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好き心少なからず

第24章 君さえ良ければ~姉ヶ崎×田口~

思わず顔を伏せると、熱くなった頬にひんやりとした風が当たって気持ちいい。

大きく息を吐いていると

「それだけ練習してるんだし、応援するよ」

田口君の明るい声に、自分が情けなくなる。

「ありがとう…」

田口君は優しい。

気遣いも上手で…つい、勘違いしそうになる。

この優しさが、私だけに向いてくれたらいいのに…。

「私も」

「ん?」

「応援して…いい?」

普段、なかなか一緒にいられないから。

学校行事なら、見て、応援しても…許される、よね?

おそるおそる聞く私に

「もちろん」

田口君は楽しそうに明るく答えた。


【おしまい】



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