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好き心少なからず

第4章 モヤモヤする~田口×宇野×姉ヶ崎~

汗をぬぐいつつ、カズがいる方向を見ると…

いた。

姉ヶ崎さんが、カズと話してる。

楽しそうに笑うその表情は、この間バスで見たものとは違っていて…

あ。

カズとはあんな風に話をするんだ。

何だろう。

胸がモヤモヤする。

「田口、行くぞ!!」

「はい!!」

副部長がボールを高く上げた。

腕が大きく動き、ラケットが小気味いい音を立ててボールを打ち放つ。

ボールの弾道を追いながらも、頭は別の事を考えていて…

胸のモヤモヤは、ずっと消えなかった。


【おしまい】

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