
光の道
第5章 佐藤海斗×寺島雅也
―転入初日―
「佐藤海斗です。よろしくお願いします」
転入生挨拶は嫌いだ。
人見知りをする俺は、人前にでるのはあまり好きじゃなかった。
“…背ちっちゃいな”
“可愛い子~”
“あれ、ホントに男かぁ?”
高校でも160㎝だが、小学生のときはさらに小さく、150㎝もなかった。中学では伸びた方だった。
別に悪口でもなかったが、その呟きが凄く不快に感じた。
「じゃあ、佐藤くんは空いてる席に」
先生に促されて、俺は空いてる席を確認した。
丁度、窓側の一番後ろが空いていた。
(ラッキー。いいとこ空いてる)
そう思って俺は、席に向かった。
