
光の道
第6章 3号館(後半)
佐藤くんは、寺島くんの名前を呟き、床に崩れ落ちた。
『佐藤くんッ!』
「雅也。起きろよ!なに、寝てんだよ」
佐藤くんは寺島くんの顔は見ず、うつむいたまま言った。
『…。佐藤くん…。』
「起きろよ。サッカー一緒にやろうぜ。お前、今度一緒に試合見に行こうなっていったじゃねぇか…」
佐藤くんの声がかすかに震えていた。
私は、かける言葉が見つからなくて、寺島くんを見つめた。
「おいッ!雅也ッ!」
佐藤くんは、寺島くんの肩を揺らした。
激しく。もう動くことのない寺島くんの体を必死に揺らしていた。
