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天然な君

第4章 酔っている君。

かれこれ2時間くらいたっただろうか。
朔さんが帰ってくるのは大体8時前くらい。
ということは、今は10時になったところだ。
なんで僕がこんな時間を気にしているかというと…
朔さんが帰ってこないからである。

料理を作って待っていた僕も流石に心配になって思いをめぐらせてみたけど、どれも可能性が低い。
連れ去られたり、喧嘩なんていう事はないだろうし。
そもそも、大人を連れ去ったりするものだろうか。
一回だけ僕が怖いお兄さんに絡まれた時に、朔さんと一緒だと分かった瞬間頭を下げたことがあったくらいだから…。
そのことについては深く考えないようにしているけど、多分喧嘩も強いんだろうな。
それに、あんな真面目で迅速エリートな人が残業という事も考えにくい。
どっちにしろ、僕に連絡くらい入れるはずだ。

じゃあなんでこんなに遅いんだろう。
…飲み会という可能性は?
これまでの経験上朔さんが飲み会というのは一番低いというのが分かっている。
大勢などを嫌う朔さんは会社の年末の飲みの席も働いて3年目からは顔だけ出して長居はしなくなったみたいで。
これも連絡があるはずだし。

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