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「そんなーボク、アリサのこと好きなのに」

　雨に濡れた子犬のように瞳を潤ませ「うぅ」と、うなるヨシヒロ。

　────サラリと告白したわね。

　掴めない男だとアリサは思う。

　しかし落ちこぼれで情けなくとも、そういうところは妥協しないヨシヒロに、面倒くさいと思うことがあっても不快感はない。


「わかったわ。今は恋人で妥協しましょ」

「妥協って……アリサはボクのこと好きじゃないの」