
禁断背徳の鎖・絡み交錯する運命の赤糸(改訂版)
第3章 夜に紛れて
「また、ゆかりに睨まれるし面倒‥」
ゆかり‥森川ゆかり、冬二と一緒に行動している冬二の彼女‥
冬二がぁたしの事を気に入っているので、面白く無くて何かと絡んで来る。
「まぁ色々あるよね、美紀ちゃんは‥」
「いーだっ!」
こんな事が毎日明け方まで続く‥
最近は馴れて、何も思わなくなった‥
ただぁたしは、忘れてさえいれればそれでいい。
この眼鏡と一緒に・・・
明け方、薬が抜けてヘトヘトの桜を家に送ってから、ぁたしも家に帰る‥
帰りたく無いけど、他に行くところも無いから仕方なくだ。
"ガチャ"
玄関を開けて家へと入り、そのまま2階に上がって、自分の部屋に入ってしまう。
ソッコーでベットにダイブして、潰れたように眠りに付く‥
それが、今のぁたしの1日・・・
「んっ‥
昼過ぎーんんーー」
モゾモゾとベットから起き上がると、朝そのまま眠ったので、下の洗面所に顔を洗いに行く‥
"ジャー‥"
「んんーっ!!」
寝ぼけた頭に、冷たい水が気持ち良いー!
化粧を落としてから、冷蔵庫に何か無いかと漁る‥
牛乳とパン‥それでいっか‥‥
「・・・
何か作るわよ‥?」
養母の薫が、おずおずと話し掛けて来るが‥‥‥
ぁたしはそれを無視して、トースターにパンを入れた。
「‥美紀?」
「‥‥ほっといてくれないかな‥"おばさん"」
"チンッ!"
トースターの音で、ぁたしはパンを咥え、牛乳を持って2階に上がる。
あの日から養父母の事を
"おじさん" "おばさん"と呼んでいる‥
実の親じゃ無い‥
別に良いじゃない、何て呼ぼうがぁたしの勝手だ・・・
部屋に戻ってパンをかじるぁたし‥
ふと横を見たら、机の上のスケッチブックが目に入った。
「・・・・・・・」
初めの頃はまだ掛けた‥
今は何も思い付かない‥
最後に書いたのは何だっただろう?
確か‥向日葵‥
何故か夏の花‥
他にも花なんていっぱいあるのに・・・
