君のKISSに夢☆CHU
第9章 弟から兄へ宣戦布告
乱れた髪を整えて、店内に戻ると来騎が心配そうに近付いてきた。
「なんか顔赤いけど、お酒酔った?」
「ううん、酔ってないよ。大丈夫。」
「桜音、今日家まで送るから、ラストまでいてね。」
そう言ってパチンとウインクをすると、他のお客さんの接客にいった。
しばらくカウンターで、シンさんと話ながらお酒を飲んでいると、キッチンから輝愛が出て来た。
「お待たせしました。サーモンのクリームパスタです!」
私の前にすごい美味しそうなパスタが出てくる。
「輝愛が作ったの?」
「そう。酸っぱいのよりクリーミーなの好きそうな気がしたから、桜音は痩せ過ぎだ。ちゃんと食べろよっ。」
ぶっきらぼうな言い方だけど、私の事を気にしてくれてるのがわかって嬉しくなる。
「うん。ありがとう!いただきますっ。」
黙々とパスタを食べる私を見て、輝愛がフフッと笑った。