君のKISSに夢☆CHU
第9章 弟から兄へ宣戦布告
「んっ…らい…。んっ…。」
唇を離して来騎の名前を呼ぼうとしたら、顔をグイッと戻されて、また唇が塞がれた。
頭の後ろに手が回って、完全にホールドされていて、KISSから逃れられない。
深く深く絡まる舌。
段々と体の力が抜けていく。
チュクッ…チュクッ…。
来騎のKISSになすがままになってしまった。
「はぁーっ。」
唇を離すと、来騎がおでこをコツンとくっつける。
切ないような何とも言えない顔で、苦し気に言った。
「桜音、お願い。今夜は一緒にいて。」
こんな来騎は、初めて見るよー。
私の胸がキューッと締め付けられる。
「ね、お願いだよ。離したくないんだ。」
見上げると、瞳がキラキラと潤んだ来騎がいた。
「うん。わかった。今夜は来騎と一緒にいるよ。」
「ありがとう…。」
やっと来騎の顔に、元気が戻った。