君のKISSに夢☆CHU
第12章 俺様系の兄
「ほんと、お前のKISS最高だ。」
輝愛が私のおでこに自分のおでこを、コツンと付けた。
また触れてしまいそうな位、近くにある唇。
おでこから伝わる輝愛の熱。
ほのかに香るタバコの香り。
至近距離の輝愛から伝わるそれらに、私の心拍数が上がる。
ドキドキ…。
「きりがないな…。お前といると、KISSがやめられない。」
輝愛がポツリと呟いたそれは、私にとっては嬉しいものだったはずなのに。
今の私は、それよりも確かな確信の言葉が欲しくて。
でも輝愛は絶対にそれは言わない。
弟の来騎はたくさんくれるあのセリフ…。
たった一言なのに…。
今だけの偽りでもいいから、輝愛の口から聞きたいって思ってる。
そう…。
“愛してる!”
私がいくら求めてもきっと、輝愛からこのセリフを聞ける事はないのに…。