君のKISSに夢☆CHU
第13章 KISSの嵐
「輝愛…あのね…。さっきの写真の中の女の人は、誰?」
声が震える。
聞いてるのは自分なのに、輝愛からの答えを聞きたくない自分がいる。
しばらくして返ってきたのは、やっぱり重い声で…。
聞かなければ良かったって、後悔ばかりが募る。
「ごめん…。今は話せない…。」
「そっか…だよね。ごめんなさい…。」
「………。」
「………。」
二人の長い沈黙。
もう何を言ったらいいのか、言葉がみつからなかった。
私が今夜こうして輝愛と一緒に過ごす意味は、もうない。
「輝愛、タクシー呼んでもらえるかな?私やっぱり帰るよ。」
そう言った私の体が、次の瞬間宙に浮いた。
「だめだ。帰さない。」