君のKISSに夢☆CHU
第17章 輝愛の闇
「俺は梨果を忘れる事は、絶対にない。それでお前を傷つける事もあるかもしれない。」
ゆっくりと静かに語る輝愛の声を、私はしっかりと聞いていた。
「梨果さんを思う輝愛の気持ちも含めて、私は輝愛を好きになったんだと思う。1人で抱え込まないで。これからは、私も一緒に輝愛の未来を歩ませて。それに梨果さんだって、輝愛の幸せを祈ってると思うよ。」
「桜音…。ありがとう。」
そう言って輝愛が、体を反転させて、正面から私を抱き締めた。
私も少し震える輝愛の体を、ギュッと抱き締めた。
何年も1人で悩み続けていた輝愛。
そんな彼の力に私がなれるかは、わからないけど、いつか一緒に乗り越えていきたいと素直に思えた。