
Best name ~ ひまわりとの約束 ~
第4章 素直な心
『滝川くん・・・寝た?』
『・・・』
カーテン越しに
カンナの声がする
ぶっちゃけオレは・・・・寝付けない
(てか寝てるんじゃねぇよって話?(笑))
『ふふ・・・ごめん』
一言いうと
カンナはもう何も言わなかった
『あのさ・・・葉月』
『え・・・起きてるの?』
『・・・』
『ごめん・・・起こした?』
『いや・・・』
『ぅ・・・と、・・・なぁに?』
『・・・いや、べつに
~~オレ先に行くわ、じゃあ・・・』
『・・・うん』
オレは起き上がって
自分のベットのカーテンを
乱雑に開けた
ガララ・・・
「あら?滝川くん・・・大丈夫??」
ちょうど戻ってきた
保健の先生と鉢合わせた
『あ、オレもう大丈夫なんで』
「育ち盛りだからってねぇ♪
ご飯食べ過ぎは気をつけなさいよぉ?(笑)」
『~~すんません♪…そんじゃ』
バタン・・・。
オレは保健室を出て
渋々・・・授業に戻った
だってさ
ホントに具合悪いヤツの横で
グースカ、ピースカ
昼寝するとかさ
いくらオレでも
気が引けるじゃん??
『・・・』
だけどさ・・・どうしてだろうな
たった一言・・・
モヤモヤしたり
気まずいとか
そんなこと思うくらいならさ
たった一言
言えばいいのにな?
〃『さっきは、ごめん』〃
〃『今朝は、ごめん』〃
ってさ
その、たった一言が
なぜか言えなかったんだ
