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Best name ~ ひまわりとの約束 ~

第6章 夢をみる・・・

あっという間って言葉が

ピッタリもピッタリ過ぎる程

あっという間に春は過ぎて

また、夏休みがやってくる



そんな頃








『うふふ……っ♪』




待ち合わせしたカンナが

喜びを隠しきれないような笑顔で

紙袋を抱えながらやってきた





『お待たせ♪ケイゴ、行こ?』




『?・・・あぁ』





別に詮索する気はないんだけど

カンナをそこまで喜ばせる

その紙袋の中身が

オレは気になって仕方なかった(笑)









『カンナ・・・それ・・・』





『ぇ(笑)・・・あぁ、うん』





『重くないの?』




小柄なカンナが

両手でいっぱいに抱えるそれを

持ってやろうかな、と

なんとなく手を伸ばすけど

カンナは笑顔で

それを断る








『うふふ♪・・・欲しかったの、これ』






『・・・?』





新鮮なカンナの一言だった




思えば、学校にいる時も

出かけたり遊んだりする僅かな時間にも

カンナの口から

何かを〃欲しい〃って言葉

聞いた事がなかったんだ









『ぇへ・・・』





ガサゴソ・・・





チラチラと気にするオレをみてカンナは

「しょーがないなぁ」とでも言うように

ニコニコしながら包みをあけた









『・・・・・・げっ💧』








『♪』






嬉しそうなカンナと

オレのリアクションは

正に真逆







だってさ





カンナの口から初めて出た

〃欲しい〃って言葉と



合わさって出てきたのは






ぶっっっっっ




っっっっっ厚い







〃医学書〃だぜ?(笑)

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