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Best name ~ ひまわりとの約束 ~

第6章 夢をみる・・・


『それにしても、よく・・・』





オレはちょっとため息まじりに

カンナの抱える医学書に

そっと手を伸ばす




『我慢しきれなくて…買っちゃったの』





『その我慢して我慢して

買うのが〃コレ〃とはね

恐れ入るぜ(笑)』






『我慢したり、自分で買う方が

大事にするじゃない??♪』






『あ~~、それは一理あるかも』






思えば贅沢なんかしないカンナ




自分の部屋は

さぞかし参考書だの教材で

溢れてるかと思えば

実際は、そんな事なくてさ




勉強とかしてても

図書館にある医学書とか借りて

いつもコツコツ読んでたんだよな





『覚えちゃえば、もういらないから♪』





そう言って、いつも

図書館に本を返しにいくカンナ




・・・賢いやつだよな

あらゆる意味でさ(笑)






そんなカンナが

どうしても欲しがったって言う

その一冊








『そんなに欲しかったなら

買ってやったのに・・・』





ここまでカンナを喜ばせられるなら

本の一冊や二冊

いくらでもプレゼントしたかった



そんなオレは






チラっ…





オレはさりげなく

医学書をひっくり返して





そのプライス表示を見て









・・・ぶっ飛んだ







『・・・・・・(げっ💧)』








『(笑)・・・ふふっ』








『カンナ・・・お前マジ、尊敬するわ』






オレなら絶対


ぜっっっっったいに




自分が汗水たらして働いた金で

こんなモン買わない




しかも、こんなバカ高いってのに







『これは、一生使える♪

これだけは・・・

どうしても欲しかったんだ』








カンナの言う〃ワガママ〃を

オレはちっとも

ワガママと思わないけど






カンナが数少ないワガママで

やっと手にした医学書




軽々しく…扱ってはいけない




オレは、それを

丁重に・・・手早く

カンナに返した

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