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Best name ~ ひまわりとの約束 ~

第12章 花の命・・・

「滝川くん…今日は本当にありがとうね」


先生がおっとりした口調で言う




『ぁ・・・いや、先生オレ

今さらだけど・・・本当に

∥あの時∥も…ありがとうございました』




オレは改めて先生に

深く…頭を下げた





「ほんとねぇ…(笑)あの時は

どうしようかと思ったわ…うふふっ」




『えっ・・・(汗)』




「今だから言えるけど(笑)

まっっっさか、あなたが・・・!

しかも突然、よりによって医学部ぅ?!

天変地異が起きたの?!って…

あなただけは、そんなこと

言わないと思ってたからね~(笑)(笑)」






『・・・(苦笑)そーっスよね』





先生……教師だって人間だ(笑)

あの頃より少しだけ…大人になったオレは

当時を振り返り、先生の気持ちを考える




『でもさ、先生…なんで?』



「うん?」





『なんで…【無理だ】って

オレに言わなかったの?

オレに…あそこまで、してくれたの?』




この先生だけだった。



真面目に聞いてくれたのも

バカにしなかったのも。



落ちこぼれの代表みたいなオレに

向き合って、精一杯のアドバイスや

試験の問題集なんかかき集めて

ギリギリまで対策をしてくれたのも

それから今回の…カンナのことも




この先生だけだ。



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