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Best name ~ ひまわりとの約束 ~

第12章 花の命・・・

そしてオレは
わざわざ聞くつもりは…なかったんだけど


ちょっと口がすべって
カンナに言ってた



『3年・・・だったよな?』



『・・・?』




『看護学校って・・・たしか』





『・・・うん』





『来年・・・再来年からだとしてもさ

~~~それでもカンナのが先に

看護師になってるんだな~…

あー、くっそー』





『ケイゴ・・・なによそれ

なんで闘争心?なに焦ってるの?(笑)』





『べつに~…(笑)』



多くを聞こうと思ったのでもないし

深い意味もなく言った事だけど



ちょっと…後悔した





『あのね・・・ケイゴ・・・その』





『・・・~?』





ちょっと切り換えて
一生懸命に話そうとしているカンナに
視線を落とす・・・



・・・一生懸命に?




『ハァ…ハァ…・・・あの…ね

ケイゴ・・・話が・・・』





『・・・』




忘れてる訳ではないけど


オレ・・・少し浮かれてたのかな





走り回ったのでもなんでもない
何気ない会話して…プラプラ、のんびり
歩いてただけ、だけど




カンナは…息があがって

少し…苦しそうに歩いてた





∥あ・・・オレ∥





大病を乗り越えたカンナ・・・



その闘病…過酷な治療の影響で
カンナの体は一度ボロボロになった


そう言って…間違えではない。



抜け落ちた髪の毛も
すっかり元に戻りつつある



だからって…オレ

ちょっと浮かれてたのかな




治療の影響で

免疫力だとか…体力

弱ってしまったものが

すっかり元通りな訳ではない



オレも…知ってたはずなのに




病後の生活に体を慣らしながら

少し遅れた卒業を

成し遂げたばかりのカンナに




悪気はないけど

無神経な話をしたな、って



後悔してた

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