テキストサイズ

Best name ~ ひまわりとの約束 ~

第14章 振り向けば・・・いつも君だけが




『オレはさ…本当に桜子や…あいつら

学部のやつら…みんなすごいと思ってるよ

野心や…欲望をメラメラ燃やして

例えそれが…地位や金の為…それこそ

逆玉だなんて…ドロドロと醜い

そんな欲望の塊だとしても

ああなる、こうなりたいって自分の将来を

しっかりと見ていてさ・・・

みんなを・・・羨ましいとさえ思ってた』






『ケイゴ・・・』





『だけどさ・・・お前らだってさ』





『・・・』





『桜子?…お前だってさ

親の決めた事だとか、当たり前であっても

それでも・・・誰かの命を助けたいって

医者になる人間なんだろ?』





『・・・っ』





『お前ら…教科書の上のお勉強ばっかで

そんな当たり前のこと…

オレなんかにもわかることを

どこに放り投げてきたんだよ?

そんな人間が・・・その使命感も

責任感も忘れたみたいに

そんな事だけは言っちゃいけねーよ』






『ケイゴ・・・あたし』





『それも…桜子…お前みたいな人が

ましてや…∥くだらない男∥ひとりの

そんな事ごときで・・・っ

そんな事を…言ってくれるな…桜子っ!』





『・・・』





『冗談でも言うなっ…死んでも言うな!』





『けーご・・・っ』





『少なくとも…オレの前では

オレが∥この世に生きてるうち∥は

絶対に言うな・・・二度と言うなっ』






『慶悟・・・ごめ… …なさ…』





『絶対に・・・二度と言うな

言わないでくれ・・・頼むから』




気付くとブルブルと震えている手で

オレは桜子を抱きしめた

ストーリーメニュー

TOPTOPへ