
Best name ~ ひまわりとの約束 ~
第15章 神様のイジワル
『∥ナナミ∥ちゃん、か』
「ぇ・・・?」
『一生懸命、勉強して大学に入って
色々…楽しくなる時だって言うのにな
そりゃ・・・納得いかないよな。』
「浅田先生が…
一番の…お医者さんだって
聞いたから、ここに来たのに
手術もできないんじゃ…意味ないじゃん」
『・・・』
ナナミちゃんは…堪えてたものを
爆発させるように泣き崩れた
『こんなんじゃ、あたし
生きてる意味ないよっ・・・』
『・・・』
『死んだほうがマシ・・・っ』
オレはしゃがみこんだ彼女の
両手を掴んで、そっと立たせて
ベットに腰掛けさせる
『お前・・・本当にそう思うの?』
「っく…ひっく・・・え?」
一瞬驚いたように顔をあげる少女
『病気が治らないなら
死んだほうがマシ・・・?』
『・・・っく・・・っ…』
『・・・それが今のお前の∥本音∥なら
お前はきっと・・・大丈夫だよ』
『ひっく・・・意味、っわかんないよ
バッカじゃないのっ・・・
下っ端の医者のくせに・・・っ』
『・・・(笑)』
ギャンギャン泣いて
オレに当たり散らす女の子の
背中をさすりながら
オレは本当に
そう思っていた
だって
本当に
本当に・・・∥死を悟った人間の言葉∥って
そんなもんじゃ、ないからさ
