テキストサイズ

KIND KILLAR

第7章 What you see in your eyes

J「んで?また逃げて来ちゃったの?翔くんは。」



ワイン片手に話半分に聞いてる潤。



風邪をひいた、避難させてくれ、と言うと『バカじゃないの?』とかなんとかいいながら寝室を譲ってくれて、オマケに恋愛相談にも乗ってくれている。



S「わかってるよ・・・わかってるんだけど。」



俺がダメ人間だというのに、あの人はそれを気にせず接してくれるから、余計に自分が嫌になるんだ。



落ち込む俺に、ため息と一緒に話しかけられる。



J「てかさ、話聞いてると、キスふっかけたのリーダーでしょ?」









アレ?



S「たしかに。」



そうだ。あの人の秘密を聞こうと思ってたら、あの人がキスしてきたんだ。



うん。そうかも、そうかもなんだけど。



S「・・・にしてもっ!!俺がのってしまったのが悪いんだよ。」



J「そうかなあ?」



そうなんだよ。



例えるなら、そう。



S「あの人は猫なんだ。猫がイタズラしても飼い主が見守ってなかったのが悪いだろ?」



J「はあ!?」



潤がワインをテーブルに置いて眉をひそめたけど、そんなの気にしていられない。



S「超絶ピュアな子猫ちゃんのイタズラに乗っかって・・・俺はなんてことおっっ!!!」



自責の念に駆られて頭を抱えた。



そんな俺の頭の上に呆れたような声が降ってくる。



J「そんないい子ちゃんじゃないけどね、リーダー。」



S「へ?」



いい子ちゃんじゃない?



あんな殺し屋ですけど実は激ピュア智くんが?



出目金みたいに目を飛び出させているはずの俺を見て苦笑すると、潤はワインを口に飲み干しながら言う。



J「まあ、いいんじゃないの?とりあえず距離置いてみるっていうのも、ね。さっさと寝なよ、病人。」



サッと片手を上げて部屋から出て行こうとする潤。



S「ちょちょちょちょいまち!!!!」



J「なに、うるさいなぁ。」



S「オマエ、なんか知ってんの!?」



智くんがピュアじゃないなんてっ・・・。



高校生にもなって、たかが俺みたいな元童貞のキスで、ゆでダコみたいになってたあの智くんがっ!?

ストーリーメニュー

TOPTOPへ