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1人残されて

「いてて…」
漸く頬にジンジンと痛みを感じた



最低、とは言ったけど 嫌だった、とは言わなかった
あいつの性格なら絶対何かしら言うと思ったのに


そして
嫌だと拒否されなかった事に、喜んでる俺がここにいる



ああ、やっぱり

こないだのあの時から、もしかしてとは思ってたけど

そんな筈ないって思おうとしたけど



間違いない。俺、にのが好きになってる



「…どうすっかなぁ」

自分の気持ちに気が付いた所で前途多難

だけどにのを振り向かせたい


「色々、考えますか」


チャイムの音を聞いて、見つからないうちに資料室から抜け出した俺は、重い足取りで教室に戻った

この日から、にのを堕とす事だけに脳みそが片寄ってしまい

更に勉強そっちのけで、再追試になってしまった事は

……言うまでもなかった



(多分)End