今日も明日も 2nd season
第3章 Non.Title
だけど、2度目は寸でのところで交わされてしまった
唇に噛み付く直前に、逆に相葉さんに耳朶に歯を立てられた
耳が弱いのを知ってるからこそのそれ
甘噛みしてわざと水音を鼓膜に響かせるとか
「あ…っ、こら…!」
言い様のない擽ったさに首を竦めるけど
そんな事で相葉さんが止めてくれるわけはなくて
むしろ異を唱えれば唱える程、余計にそこを執拗に攻めてくるのがこいつだ
ってか何で今日は変なスイッチが入ってるんだ
まだ風呂どころかシャワーも浴びてなくて汗臭いから、このままなだれ込むなんか冗談じゃない
「ちょっと待てって…っ」
「どうして…?」
わざと息を吹き掛けるように囁かれて、背中が粟立つ
「だって…、まだ風呂…っ」
「そんなの後でいい」
完全にその気になってる相葉さんは、首筋に唇を移動させた
「…っ」
チクン、とした痛み
その痛みには覚えがある
「バカ…っ、お前……!」
「大丈夫。そこまで強く付けてないから」
悪びれもせずに笑う相葉さんの目は、何故か笑っていなかった
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