今日も明日も 2nd season
第26章 青色クレヨン *青×黄*
「にのしか見ないよ」
大野さんが、ギュッと俺を抱き締める
「…でも、もうこんなとこじゃヤラないからね」
「お前がチューしなきゃ、我慢する」
困ったように笑って、耳にキスしてきた
「にの、歩ける?」
「え、うん多分」
「じゃあ、先に楽屋戻ってて」
「え?」
俺からそっと離れた大野さんが、前屈みで後ろに下がった
「大野さん?」
「…抜いてから、戻る」
思い切り、困り顔で笑って見せるから、吹き出しそうになった
「テツダイマショウカ?」
つい、恥ずかしくてぎこちなくなるけど
ちょっと楽しいと思う自分もいて
だけど
「いい、マジで止まらなくなるから」
大野さんはブンブン首を振って、俺の申し出を勢い良く拒否した
「その代わり…」
「ん?」
「今日はうちに泊まりだから」
我慢したままニカッと笑う大野さんに
俺も耐え兼ねて吹き出してしまった
断るわけないでしょ
…俺だって、アナタに愛されたいんだから
「泊まるよ、…だから」
"いっぱい仲良くしようね"
ー…わざと耳許で、息を吹き掛けるように囁いてあげた
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