無料で楽しめるちょっと大人のケータイ小説

声は出さずに、傍に来い、と潤に指示する

まだ顔色は良くない潤が、恐る恐る俺の隣に立ち尽くした

素直に目を開けようともしない智くんも凄い

空気で人の気配って分かりそうだけど



…もしかして、緊張してる？


だって、耳…赤い


ちょいちょいと人差し指で潤を智くんに近付けさせて

ー…キス、しろよ

指と、目で潤に伝える



だけど潤は

さっきのショックからか、首を振って離れようとする


ー…大丈夫だから

唇の動きで潤を引き留め


「…智くん、まだ目は開けないでね」

智くんが小さく頷いたのを見てから
潤の頭を後ろからガシッと押さえ付けた


キュッと唇を噛み締めた潤が、横を向いて小さく息を吐く

そして

一度俺に目を合わせてから


そっと、智くんの唇に自分のそれを触れ合わせた


「…っ」

智くんが驚いたように目を開ける

その目は大きく見開かれて

次には腕を持ち上げて、潤の肩を必死に押し始めた

「智くん」

耳許で囁くと、びくん、と体が震えた