今日も明日も 2nd season
第38章 SS: じゃなくて
「へぇー、なかなかいい店じゃん」
通された店内の雰囲気は、なかなかな感じだった
俺が好きそうな店を選んでるよね、コレ
「でしょ?」
どことなく嬉しそうに答えた相葉さんが、さりげなく背中に手を回した
エスコートするつもりなのに、手が何気に震えてるの丸分かりだけど
敢えて何も言わずに促されるまま奥に進んだ
相葉さんから誘われたのは、ついさっきだった
“いい店見つけたんだ。良かったら行ってみない?“
…別に予定もないから “いいよ“ って返事して
来てみたらホントに俺好みの店で
相葉さんが 誰でもじゃなく、“俺“ を誘ってるのは分かってたけど
「俺なんかじゃなくて、他にいなかったの?」
わざとそうやって気付かないフリをした
「相葉さんなら、誘えば来る女の子いっぱいいるでしょうに」
ちろ、と上目遣いで相葉さんを見れば
相葉さんは困ったように頭をポリポリと掻いていて
「…まあ、ね。でもこの店はにのが気に入るかなって」
そうやって中途半端に言葉を濁す
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