今日も明日も 2nd season
第44章 どんな君でも
「いたあきます!!」
大人の相葉さん同様、唐揚げ弁当を選んだ雅紀がパチンと手を合わせて頭を下げた
この仕草、全然変わらない
所々で垣間見る相葉さんの片鱗に何処か嬉しくなる
「はい、召し上がれ」
「…にーの、食べないの?」
俺の前にコーヒーしか置いてないのを見て、雅紀が不思議そうに訊ねた
別に食べないんじゃない
子どもには量が多いそれを、雅紀が残す事を考えたからだ
多分、雅紀も相葉さん同様、残す事に罪悪感を覚える気がして
それを感じさせたくなくて、敢えて買わずにいた
まあ、完食出来たらそれはそれで構わないし
「ああ、俺は大丈夫。雅紀、全部食べられそう?」
気にするな、と笑って見せてから雅紀の手元に視線を向ける
「…食べれない」
悲しそうにしょんぼりするけど、…そもそもそれ、大盛だから
俺だって食えないっつーの
「そっか。じゃあ雅紀から分けて貰おうかな」
雅紀を傷付けないように言葉を選んで
“あい!“ と嬉々として蓋に取り分ける雅紀に思わず目を細めた
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