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今日も明日も 2nd season

第6章 1周回って好きになった


ゆっくり歩いても、曲がり角にはたどり着く

マンションが見えた瞬間、またにのが俺の手をきゅっと握った

そして


「…ありがとう」

え、とにのを見た時には繋いだ手はパッと離されて

にのはマンションに向かって駆け出していて


…だけど俺の前を通り抜ける時に、街灯に照らされた真っ赤な顔のにのを確かに見つけた


何、この不意討ち

いきなり “ありがとう“ って、狡いだろ

あれだけ憎まれ口叩いて置いて、そのくせおとなしく手を繋いで歩いて


何なの、マジで



走っていくにのの後ろ姿を呆然と見つめていた俺は



多分、この瞬間ににのを好きになったんだと思う


End (多分続く💚💛)

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