無料で楽しめるちょっと大人のケータイ小説

相葉さんがスマホの向こうで固まったのが分かった

だよね

仕事は大事にする俺がこんな事言うなんか信じられないもんね

それに相葉さんも、体調不良以外にキャンセルなんてする人じゃない




『…やっと聞けた』
相葉さんがクスクス笑っている

「え？」


『いつ言ってくれるかと思ってた』

見なくても分かる
今、相葉さんは凄く優しい顔してるって




『とっくにキャンセルしたよ、仕事』
“マネージャーにがっつり怒られたけど“

ヤバい
嬉しいかも


「怒られたんだ」
そっけなく返してみるけど、声が弾んでしまってる事に気付かれるかな


『そりゃね。でもいいの』
「え？」


『だってお前の誕生日だから』
“そのくらい当たり前“



ああ、今相葉さんが隣にいなくて良かった

だって俺、凄く締まりのない顔してる


でもね
電話越しだから伝えられる




「相葉さん……大好き」



またひとつ、二人の思い出が重なった



End