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仔猫ちゃんとレジのお姉さん

第1章 🐱®

いつものようにお姉さんのレジへ向かう。

「こんにちは。夢野さん」
「こんにちは。えっと……」

初めてお姉さんのネームプレートに目をやる。

これまでは漠然と
見てはいけない気がしていたから。

「斗夢さん。こんにちは」
「顔見知りでも名前を呼ばれると
新鮮ですね」

斗夢さんは喋りながらも手際がいい。

「ありがとうございました。リンちゃんに
よろしく」
「はい。また来ます」

斗夢さんは僕の後ろに並んでいた
厄介そうなおじさんに捕まっていた。

「それじゃねーよ!俺は10ミリしか
吸わねんだ。マイセンの10ミリな!」

僕にはきっと接客業は無理。

母親と同じ血が流れている僕も
周囲に囚われず没頭出来る職が
向いているのかもしれない。

風鈴のように自然体で生きたい。

               おわり
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