笑い、滴り、装い、眠る。
第11章 SUN SHINE
智「どうしたの?ボンヤリして?」
「うん…ちょっと昔のこと思い出しちゃって?」
心配そうに見つめる智くんを抱きしめる。
智「翔くん…ちょっと苦しい…。」
智くんは俺の腕をバシバシ叩き、苦しいアピールをしてきた。
「あの……智くん。」
智「な…何?」
力を緩めた途端、智くんは大きく深呼吸した。
「このまま俺とずっと一緒にいてよ?」
智「え……」
「同じグループのよしみ、とかじゃなくて…」
そこまで話したとき、腕の中の智くんがフワリと笑い、俺にしがみついてきた。
智「当たり前でしょ?そんなの?」
俺の頬を辿る指先の優しさに涙が零れる。
智「も〜泣くなよぉ。」
「ごめん。涙は智くんの専売特許だったね?」
智「違うわい」
子どもみたいに拗ねる智くんの唇にキスをする。
智「一番の泣き虫は翔くんじゃん?」
「違う、ってば。」
ずっと、あなただけを見てきた。
あなたの背中をずっと追いかけていた。
智「今も……昔も。」
これから先も、ずっと。
貴方と共にあるために。
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