笑い、滴り、装い、眠る。
第15章 TO You・・・
翔side
「んっ…」
何回も、軽く触れるだけを繰り返しては離れるを繰り返す智くんのキス。
そのたびに、もう終わりなのか、って顔をするとちょっと困った顔をしながらキスしてくれる。
でも、段々とその顔が熱を帯びてくるのが分かると、俺は智くんから目をそらした。
智「どした?」
「ごめん。何でも……」
それでも、不安そうにしている顔を直視することもできなくて、言葉が出てこない。
最悪だ。
智「怖い?」
これから先の行為のことだ、って思った。
「……うん。」
智「……だよね?」
智くんの温度が急激に下がっていくのを感じた。
それはそうか。期待させるだけさせといて。
でも、怖いのは事実だし正直に答えた。
智「実は、俺もそう。でも、怖い、っていうよりは自信ない、かな?」
智くんは俺の頭を撫でながら笑った。
智「優しくするから、とか何とか言いながら痛かったりしたらどうしよう?ってさ?」
「やっぱ…痛い…よね?」
智「……だろうね?女の子も初めての時は痛いらしいから?」
智くんは俺から少し距離をとると目の前であぐらをかいた。
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