ドラクエらんど【番外編】
第1章 1
「いやぁ、完敗やわ」
僕らはビールジョッキでそれぞれ乾杯をした。
脇田はずっと不機嫌だ。
「ええやん、トロル倒したんやし、レアアイテムも貰えたし、報酬も…」
鈴が脇田を慰める。
「よくあらへん! 最後にいいとこもってったの、黒田やで!!」
脇田はビールをグビグビと喉に押し込んだ。
そして盛大なゲップをして、鈴に頭を叩かれた。
「マナト、大丈夫?」
風が声をかけてくれる。
僕は「大丈夫」と言って微笑んだ。
あれから限界まで戦った僕たち。
トロルもかなり弱まっていた。でもそれ以上にみんな体力を消耗していて、誰も動けなかった。
そこに現れたのが、黒田だ。
パトロールに来たらしくて、あっさりとトロルを倒してしまった。
そして黒田の魔法でみんな全回復し、無事にダンジョンを脱出できることができた。
脇田はそれが気にくわないらしい。
「まあええわ、しばらくは金に困らんし。ちゅうことでパーティーは解散や」
「えっ…」
「当たり前やろ、人数合わせのために誘っただけや、わいは仲間はいらん」
脇田の言葉に少し動揺した。
僕だってこんな自分勝手なやつと仲間になんてなりたかくなかった……最初は。
「鈴、お前もや。振り回して悪かったな」
「えっ!?」
鈴は思いっきり動揺した。
まさか自分までそう言われるとは思わなかったんだろう。
「わいは人に合わすんが嫌なんや。あ、でもまた人数合わせが必要になった時は頼まなあかんな。ま、そんときはよろしく頼むわ」
脇田はケラケラ笑いながらビールジョッキをテーブルに置いた。でも誰も笑っていない。
「ふざけないでよ…」
「あ?」
鈴は突然自分のビールジョッキを掴んで、中身を脇田の顔にぶっかけた。
「なっ…なにすんのや!!」
「仲間だと思ってたのはあたしだけなん!? 一人でいたいなら最初からあたしを助けないでよ! 優しくしないでよ!!」
「鈴…」
「もうさっ…あたし、関西人じゃないのに…あんたといたらいつの間にか関西弁うつっちゃって…」
鈴の目から涙がこぼれる。
「責任…取ってよね!!」
「……なんやそれ」
脇田はかぶったビールをペロッと舐めた。
そして無言で席を立った。
僕らはビールジョッキでそれぞれ乾杯をした。
脇田はずっと不機嫌だ。
「ええやん、トロル倒したんやし、レアアイテムも貰えたし、報酬も…」
鈴が脇田を慰める。
「よくあらへん! 最後にいいとこもってったの、黒田やで!!」
脇田はビールをグビグビと喉に押し込んだ。
そして盛大なゲップをして、鈴に頭を叩かれた。
「マナト、大丈夫?」
風が声をかけてくれる。
僕は「大丈夫」と言って微笑んだ。
あれから限界まで戦った僕たち。
トロルもかなり弱まっていた。でもそれ以上にみんな体力を消耗していて、誰も動けなかった。
そこに現れたのが、黒田だ。
パトロールに来たらしくて、あっさりとトロルを倒してしまった。
そして黒田の魔法でみんな全回復し、無事にダンジョンを脱出できることができた。
脇田はそれが気にくわないらしい。
「まあええわ、しばらくは金に困らんし。ちゅうことでパーティーは解散や」
「えっ…」
「当たり前やろ、人数合わせのために誘っただけや、わいは仲間はいらん」
脇田の言葉に少し動揺した。
僕だってこんな自分勝手なやつと仲間になんてなりたかくなかった……最初は。
「鈴、お前もや。振り回して悪かったな」
「えっ!?」
鈴は思いっきり動揺した。
まさか自分までそう言われるとは思わなかったんだろう。
「わいは人に合わすんが嫌なんや。あ、でもまた人数合わせが必要になった時は頼まなあかんな。ま、そんときはよろしく頼むわ」
脇田はケラケラ笑いながらビールジョッキをテーブルに置いた。でも誰も笑っていない。
「ふざけないでよ…」
「あ?」
鈴は突然自分のビールジョッキを掴んで、中身を脇田の顔にぶっかけた。
「なっ…なにすんのや!!」
「仲間だと思ってたのはあたしだけなん!? 一人でいたいなら最初からあたしを助けないでよ! 優しくしないでよ!!」
「鈴…」
「もうさっ…あたし、関西人じゃないのに…あんたといたらいつの間にか関西弁うつっちゃって…」
鈴の目から涙がこぼれる。
「責任…取ってよね!!」
「……なんやそれ」
脇田はかぶったビールをペロッと舐めた。
そして無言で席を立った。