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「はあ？ 自分ら、まだレベル15なん？ まあ、風はともかく、マナトは勇者やろ！ 勇者が足引っ張ってたらあかんで！」



なんでこいつと仲間にならなきゃいけないんだ。



「まさかレアモンスターを倒すのに４人じゃないといけないなんて…。あ、でも黒田さんは一人だったよね？」



風の言葉に僕は深く頷いた。



「あ、黒騎士の黒田さん？ 彼はね、特別なの。レベル90だし、魔法もスキルも完璧だから、お城の傭兵としても雇われてるんだって」

「へぇ～どうりで強いと思った」



ツインテールの髪型をした鈴(すず)が説明してくれる。鈴は魔法使いでレベル34。関西弁の男とは二日前に仲間になったばかりらしい。



「でも仲間が増えて嬉しいわ♪ よろしくね、風、マナト。あ、このうるさい男は脇田。ワッキーって呼んであげて♪」

「勝手にあだ名つけんなや！ てか、わいはわいでやらせてもらうで！」



戦士の脇田はレベル60らしい。
確かに僕らよりはるかに強い。



「あ、回復魔法は頻繁に使わんといてや。わいが狙ってるレアモンスターは地下四階にいるんや。一気に四階まで行くで」

「は？ ちょっと待てよ…！ あんたは余裕かもしれないけど僕らはまだレベル15なんだぞ？ もし危ない目にあったらどうすんだよ！」



さすがに反論した。
この世界は調子に乗ると痛い目にあう。
最悪誰かが死んでしまうことになる。



「けっ…ほんなら入り口付近で待っとき。わいが戻ってくるまでダンジョンの入り口は誰も通したらあかんで！ レアモンスターはわいが倒すんやからな！」

「はあ～、もうワッキーは協調性ないなぁ」



結局、脇田一人でダンジョンに入っていった。
マリ子さんは『必ず四人で』と言ってたけど、仕方ない。みんなを危ない目に合わすわけにはいかない。



脇田が戻ってくるまで、僕たちは周辺に潜むモンスターを倒していた。魔法使いの鈴はレベル34なだけあって、攻撃魔法でガンガン敵を倒しまくり、戦闘はかなり楽になった。



「鈴ちゃん、すごいね！」

「風も回復魔法だけじゃなくて、補助魔法使えるんやね！ 防御力や魔力あげてくれるおかげで戦いやすいよ！」



本当に戦いやすい。
この３人でならやっていけそうな気がする。
そしてシュンがいれば…シュンが生きていれば最高だった。