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ドラクエらんど【番外編】

第1章 1

「ちょっとそこ、どいてくれないか」



ダンジョンの入り口で座ってると、他のパーティーの人たちが声をかけてきた。



「どうする? ワッキーは通すなって言ってたけど…」



鈴が僕にコソッと話す。
僕はやれやれと立ち上がり、彼らに話しかけた。



「今ツレが出てくるのを待ってるんで、もう少し待ってもらえます?」



僕の言葉を聞いた途端、彼らの顔色が変わった。



「店で話を聞かなかったのか? ここで単独行動は危険な場所だぞ!」

「でも彼はレベル高いし、本人も大丈夫だって言ってたので…」

「ここはレベルの問題じゃない。精神攻撃を仕掛けてくるモンスターばかりなんだ。だから4人で声を掛け合って進んでいかなければいけないんだよ!」



それを聞いて、僕は脇田の身が心配になった。
しかしあの脇田だ。「んなもん、関係ないわ!」とか言って突き進んで行きそうな気もする。



「とりあえず我々も入らせてもらう。君らの仲間を見つけたら、酒場には連絡しておくよ」



彼らはダンジョンの中に入って行った。



「マナト…どうする?」



風は不安そうだ。
あんなことがあってから、ダンジョンにはあまり入りたがらない。
もちろん僕も不安がないと言ったら嘘になる。



「あんな勝手なやつ、ほかっとこって思ったけど…」



鈴がダンジョンの入り口を見つめた。



「やっぱり心配だから、行くね」

「鈴ちゃん、一人で?」

「だってワッキーは仲間やもん。あんなんだけどさ、最初モンスターに襲われてるところを助けてくれたの、ワッキーなんだよね。みんなびびって逃げちゃったけど、ワッキーだけは逃げなかった」

「鈴ちゃん…」

「ごめんね、巻き込んじゃって…。素敵な仲間、探してね」



鈴は笑顔を見せながら、ダンジョンの中に入って行った。



「どうしよ、マナト! 一人で行っちゃだめなのにっ…」

「僕らも行こう!」



そう思うが、僕の足は鉛のように重かった。
情けない…情けない!



『落ち着け、マナト』



その時、どこからか声が聞こえてきた。



『おれがついてる、大丈夫だ』

「…シュン…?」



シュンの声だ。
姿は見えないけど、シュンの気配がした。



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