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Treasure of life

第1章 Baby blue

side M

智くんと付き合い始めて数ヶ月が経った、ある寒い寒い日―――。

デートの帰り道、俺は頭を何かで殴られたような衝撃を受けた。


「異動することになった」

智くんの突然の言葉……。

「…え…?」

「…急に決まったんだ」

「どこに!?」

「○○町」

「○○町って…!え、まじで?」

○○町はここからだと電車を乗り継いで2時間弱…。

「ほんとだよ。内示がでたんだ。
あまり大きな声では言えないけど…」

「なんだよそれ、遠すぎない?」

「ギリギリ都内だよ」

明るく言う智くんに無性に腹が立った…。


「…嫌だ…」

「…潤…?」

「智くんは何もわかってねぇんだよっ」

「潤、待ってっ!」

智くんは俺の腕を掴もうとしたけど、俺はそれを振り払って走った。


なんで?なんで智くんなの?
卒業まで一緒にいられると思ったのに………。




それから俺は智くんを避けてしまっていた。

LINEも電話も無視した。

授業中も目を合わせないようにした。

もちろん、美術準備室にも顔を出さなくなった。


でも…、どんどん寂しさは募っていった。

寂しくてボロボロ泣いた。

話せない日々がこんなに辛いとは思わなかった。


もうすぐ3学期が終わる。

そうしたら智くんとも会えなくなる…。

俺達、このまま終わっちゃうのかな……。

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