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Treasure of life

第2章 モノグラム

side M


月明かりのキレイな夜だった。

バイトの帰り道、なんとなく遠回りをして帰りたい気分だった。

普段は通らない大きな公園の中を自転車を押しながら歩いていた。


そのとき、行く先に僅かな光が見えた。

俺はその光に吸い寄せられるようにその方向へ向かった。


なに…?


俺は自転車を停めて近づいた。


よく見ると人…が倒れていた…。


…死んでないよな…。


白くて華奢な体…。

男…みたいだけど……。


「君、大丈夫?」
俺は恐る恐る声を掛けてみた。

「……ん…」
薄っすらと開けた瞼の奥に澄んだ茶色い瞳…。ゆっくりとまばたきした。


俺が手を差し出すと、男はその手を取った。

―――けど…、男の手は人間のものじゃないみたいに冷たかった………。

男が起き上がると、俺は咄嗟に手を引っ込めて尋ねた。

「良かった、気がついて。こんなところでどうしたの?」

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