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Treasure of life

第1章 Baby blue


放課後、俺は美術準備室のドアをノックした…。

コンコン

「どうぞ」 
「失礼します」

「先生、俺のこと覚えてる?」

俺は、デスクに向かって座っていた智くんの方に歩み寄って尋ねた。

「えっと、君は…」

「松本潤です」

「松本…潤…?…潤!?」

智くんは目を見開いて立ち上がる。

その拍子に、座ってた椅子がひっくり返った。

「智くん…驚きすぎ…(笑)」

「ごめん、ごめん。
びっくりした!元気だった!?」

「俺もびっくりしたよ。今日名前聞いて」

「誰かと思った…。昔小さかったのに、こんなに大きくなったの(笑)?」

2人で転んだ椅子をなおすと、智くんは俺を少し見上げながら言った。

「まあね」

「さっき、授業で俺のことじーっと見てくる生徒がいるなぁって思ってたら…」

「それ多分俺(笑)」

「潤だったのかぁ。目力がすごくて目合わせられなかったよ」

「ははっ。よく言われる(笑)」

授業中のことを思い出して智くん苦笑い。



それから少し話をしていて、ふと時計を見ると…。

「あっ、ヤベッ。
智くんごめんっ、俺バイトの時間っ。
またココ来てもいい?」

「うん、いいよ〜」

智くんが快くOKしてくれたから、俺は弾む気持ちで準備室をあとにした。

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