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無表情の宇野くん

第21章 宇野くんと語り部。

私は宇野くんに近しい存在であり、また壁を隔てたような、近寄れない存在なんだと、そう感じています。


宇野くんは私に、かなり冷たい。無表情で、その上喋らないというのだから、冷たいもどうもこうもないと思うけれど、しかし、他の同級生よりも、明らかに、どこか冷たいのだ。


態度が乱暴というか、私としても別に、仲良くしたくないというわけではないので、結構落ち込むことではある。


具体的に、どんなところが冷たいかというと、体育の時間、ドッジボールで敵である私にだけボールを当てに来なかったり。徒競走で私に近付きたくないのか、ペースを落としたり。給食で宇野くんの嫌いな食べ物が出てきたら、それがみんなが大好きなスウィーツであろうと、私に押し付けてきたり。


まあ、私としてはあまり困ることでもあるまいから、別にいいんだけれど。

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