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あと3秒だけ。

第9章 ヒミツのカンケイ。


『ねぇ有紗』

貴久の声で私は身体を起こした。

『来週の水曜日はごめん、会えないわ。』

え...

『あっ、用事入っちゃいました?』

『んー、まぁそんな感じかな。ごめんね。』

私の横に来て、

優しく抱きしめてくれた。

寂しいけど、でも

今は幸せだからいいや…。

私は、貴久に家庭があることを

時々忘れてしまう。

幸いにも、結婚指輪を外してくれているから

私は直に思い知らされないけれど

それでもたまに、頭をふっとよぎる。

その度に、切なくなるんだ。

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