あと3秒だけ。
第11章 欲張りな心。
その日の仕事中、
ロビーのお客様がパタンと途絶えることがあった。
今日は思ったより客足が少ない。
『有紗、今のうち食事行ってきていいよ!
私さっきのお客様のが、まだまだ終わりそうになくて…!』
窓口は、なるべく人数を減らさないように
交代で休憩にあがる。
1人が休憩に上がる時間が遅くなると
後の人に響くため、極力時間どうりに行くのが望ましい。
いつもは彩が一番で、
その次に私が休憩に行くが
彩の机をみると、まだまだ掛かりそうだった。
『ん〜、わかった!じゃあ今日は私が上がるね!』
『ありがと!助かるっ。』
私はいつもより1時間早く休憩にあがった。