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あと3秒だけ。

第12章 お忍びデート。


人気の少ないところに移動し、

階段に腰をかけた。


『普段ならできないこと、夜ならできるかなって思ったんだ。ほら、デート。なかなかできないでしょ?』


ちょっと照れくさそうに笑う貴久を

ピンク色のライトが照りつけた。

今日、彩とのご飯で

“彼氏とまた今度来よ〜”って言うのを聞いた時

羨ましいなって思ったんだ。

私たちは、そういう“普通のデート”ができないって

気づいたからなんだ。


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