あと3秒だけ。
第13章 貴久side
その日の夕方の歓迎会で、
全員俺にビールを注ぎに回ってきた。
『神田代理〜、
今日からよろしくお願いしますねっ!』
『神田代理〜、カッコイイですね!
モテますでしょうー??』
『神田代理ってば、
結婚していらっしゃるんですか〜??』
ビールを注ぎにくる女性社員は、
キャッキャしていて
朝なんて俺に目すら向けていなかったのに
コロッと変わるんだな。
女は所詮、こんなもんなんだ。
とりあえず、愛想笑いでその場は切り抜けた。
はー、だるい。帰りたいな...
そう思っている時に、
『はじめまして、2年目の上野です。
3番窓口してます。よろしくお願いします。』