あと3秒だけ。
第19章 突然の。
明るく話す彩に、
私は少しチクッと胸が痛んだ。
『でも、分かったのが結婚前で良かったよ。もし結婚した後にわかったら、信用出来ないもん!』
『そ、そうだよね…。さすが彩だね!勘が鋭い!』
私は、とんでもない事をしていたんだと思った。
それでも好きという気持ちって
ブレーキがきかなくて
どんどん、愛に貪欲に
深い溝にはまってしまった。
その溝に貴久と私は2人で入ってた。
でも、
今その溝に貴久はいない。
どこに行ったのかもわからない。
貴久は、何を思ってるの…?
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『新年明けて、さっそくですが異動があります。
神田代理、隣の県の〇〇支店へ異動。』
『え...神田代理?』
『早くない??』
朝礼で並んでいた社員が少しざわつく。
貴久は新年早々、
元々住んでいた隣の県に転勤となった。