あと3秒だけ。
第20章 左手薬指。
『それでは、あと2日.....仕事頑張りましょうね!
おやすみなさい。』
家の前に着くなり、
私は急いで助手席を降り
貴久を見送ることなく家に入った。
すぐさま部屋に行き、
私はベッドにダイブした。
我慢していた涙が一気に溢れ出した。
『ウッ・・・』
家の外から車のエンジン音が聞こえた。
部屋の窓から外を見ると
貴久の車がゆっくりと帰っていくのが見えた。
『ウッ…ウッ・・・貴久さんッ…。さようなら…』
この日、私は枯れるほど泣いた。
涙が止まらなかった。