あと3秒だけ。
第21章 あと3秒だけ。
しばらくして、順番が回ってきた。
先にビールを注いだのは彩だった。
『神田代理いなくなるなんて、本当寂しいんですからね〜!』
『ごめんごめん!
まーさすがに早すぎるよね、ハハッ』
笑顔で話す神田代理と彩。
いつもの、何だか懐かしい光景。
もう見れないんだと思うと寂しい。
『じゃあ次は、神田代理お気に入りの有紗なんで!私はこの辺で〜♪』
『えっ、ちょっ彩?!』
彩はへへへ〜と笑いながら
自分の席に戻っていった。
神田代理は、私のビールが注ぎやすいよう
飲み干してくれていた。
『あ・・・、神田…代理。
今までお世話になりました…』
ゆっくりと、ビールを注ぐ。
『神田代理か・・・。懐かしいな。』
神田代理は、優しく私を見つめてた。
だけど、どこか少し寂しそうで。