あと3秒だけ。
第21章 あと3秒だけ。
『有紗。私が気づいてないとでも思った?
今日が神田代理最後なんだからね?もう、きっと会えないよ。このままでいいの・・・?本当の気持ち、まだ言えてないんでしょう?』
『彩・・・・・・、し、知ってたの・・・?』
『ははっ、同期舐めんな☆』
彩、知ってたんだ・・・。
彩はいつも私を支えてくれる。
もちろん、私の見えないところでも。
『彩…、私もっと早く彩に相談しておけばよかった…』
彩はフッと笑って私のほっぺを両手で引っ張る。
『ふぇっ!』
『有紗は、笑ってる顔が似合うよ!今日くらいは笑おう!ね!!』
じわっと目頭が熱くなる。
『彩ぁ・・・』
『ちょ、泣くな泣くな。目が腫れるから!』
それから、2時間半程度で送別会は終わった。