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第16章 ただただ
そもそも、だ。
あんな綺麗な顔して、あんな色気を放って
男女ともに経験がないなんて思わないだろ。
今までアイツの周りにいた奴らは
何してたんだよ?眼科行け今すぐ。
気高い猫のようにしなやかで美しく、
あまり感情を表に出さない潤。
大野君事件の時は、落ち込みながらも
あの潤が嫉妬?!声を荒げるなんて!と
どこか嬉しい感情があったのも事実だ。
にのに部屋に行って!と言われた時は
もう土下座でもなんでもして誤解を解いて
潤への愛を懇々と語ってやるつもりだった。
それなのに
いざ部屋に入ると逆に潤に謝られて・・・
M「みんなの前でみっともないとこ見せてごめんね?にのから聞いて翔くんは悪くないってわかったからもう大丈夫。 」
心の内を隠すみたいに笑顔を作って、
なんでもなかったかのように振舞って。
俺も俺で、謝るタイミングを失い、
もちろん愛を語るタイミングなんてあるはずなく
「巻き込まれちった、てへ、」
てな感じで、ここでも完全に失敗していた。
フってくれていいなんて言っておいて
別れたくない!というような未練タラオは
引かれるだろうか。
でもだからと言って"はいそうですか"と
潤を手放す事も出来ない。
S「いったいどうすれば・・・! 」