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第16章 ただただ




S「あの・・・・。 」



待って、って言ったくせに

その後に言葉が続かない。

不思議そうな顔した潤が俺の様子を伺ってる。






・・・ここまできたらカッコつけても無駄だ!
ええい!!往生際が悪いぞ、櫻井翔!!





S「潤!」




M「は、はい・・・!」




S「俺は、潤のことが大好きだ!!別れたくない!頼む!捨てないでくれ!! 」






ガバッと土下座した俺。

もうみっともなくてもなんでもいい。

最後の足掻きだ。






M「・・・へ? 」




頭上から潤の声。

恐る恐る顔を上げると、

驚きに固まった潤と目があった。






M「あの、翔くん・・・?」







S「あんな告白したくせに、超カッコ悪いのはわかってる。でもこのままお前のこと手放したくない。な、違ったとか、嫌だなとか、お前が不満に思ってること、なんでも直すから、もう一回チャンスくれないか? 」





M「あ、あの!ちょっと、」





S「せめてあと一カ月!別れる前に俺に執行猶予をください裁判長! !!」←?






M「翔くん!聞いてって!!!!」





未練がましくタラタラと話を続ける俺の口を

潤の手が覆った。





S「・・・ぶん(じゅん)。」




M「・・・ねぇ、俺別れるなんて一言もいってないよね・・・? 」




S「・・・(コクコク) 」






M「・・・別れられないよ。俺も翔くんのこと、、、 」






言葉を詰まらせ、伏し目がちに顔を赤らめる潤。

可愛い可愛い!今すぐキスしたい!

手を!このビクともしない手を退けて!←






M「翔くん、大好きだって言ってくれた・・・? 」




S「 (コクコクっ!!)」




M「へへへ、初めて言ってくれた・・・。 」





嬉しい、と潤は俺の口許から手を退けて、

ギュッと俺に抱きついてきた。

潤の髪が、肩口をくすぐる。




S「嘘だろ・・・? 」





俺、好きだって伝えたことなかったっけ?






M「・・・なかったよ、だから不安だったんだから。」






ぬぁーーーーーにーーーーーー!?






S「・・・ごめん、 好きだって心の中ではずっと言ってたし、てっきり伝わってるとばかり思ってました。」

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